「月の沙漠」は、トンデモナイ歌だった!!
思い込みや想像で物事を進めてしまい、あとで修正が効かなくなってしまい、
事実とは違ったイメージが定着することってありますよね。
有名な童謡の「月の沙漠」がそれです!
昨日は「春の小川」を紹介しましたが、今日は「月の沙漠」に関して。
(童謡「月の沙漠」)
「月の沙漠(つきのさばく)」は、日本の画家で詩人の 加藤まさを の作品に、
作曲家の佐々木すぐる が曲をつけた童謡で、砂漠の中を王子様とお姫様がラクダに乗ってはるばると旅をするストーリーです。
誰もが一度は耳にし、歌を聴けば自然にその情景が浮かんで来ると思います。
(「砂漠」ではなく「沙漠」)
歌のタイトルは 「月の沙漠」。よく見ると「砂漠」ではなく「沙漠」。
題名、歌詞では「沙」の字が使われています。
それは、作詞した加藤が、千葉県の御宿海岸の風景から歌詞のイメージをつかんだと
言われ、その海岸の砂がみずみずしく感じたことから「砂漠」ではなく「沙漠」にしたといいます。
「沙」には「すなはま」という意味があるそうです。
(月の沙漠にちなんだ公園)
千葉県のJR御宿駅から海の方向に10分歩くと御宿海岸に着きます。
御宿海岸は、童謡「月の沙漠」の歌詞のイメージをつかんだ場所と言われ、ここには、月の沙漠記念公園があり、童謡にちなんで、ラクダに乗った王子様とお姫様の「月の沙漠記念像」が設置されています。
また、周囲にはヤシの木が植えられて南国情緒が漂っています。
(ありえない歌詞)
この「月の沙漠」は、月夜の沙漠を、ラクダに乗った王子とお姫様の二人が旅をするという歌詞。
なんとなく優雅でのんびりした歌詞とリズム、ゆったりとした雰囲気の歌です。
しかし!!
この歌を実際に沙漠がある地域で生活した事がある留学生に聞かせたら、ありえない と驚嘆されました!!
いわく
1.まず、沙漠を王子とお姫様の2人だけで移動するのは非常に危険!
日中でなく夜の沙漠をたった二人で、しかも金銀を身につけて丸腰で歩くのは、
かなり危険!!夜陰に乗じてテロリストや盗賊がすぐに襲撃してくるそうです。
また、片方が沙漠の真ん中で、尿意や便意を催したらどう対処するのか?
通常は、お付や護衛が必要で、このような2人旅はあり得ない自殺行為。
2、夜の沙漠を移動するのも危険!
沙漠は気候の変動が激しく、また砂嵐に見舞われます。
また、サソリや毒蛇も潜んでいる可能性があるものの夜は発見しにくい。
そのため、夜の砂漠をのんびり移動するのは、あまりにも無謀。速やかに移動すべき。
3.沙漠では、あまり見ることができない光景
歌詞には「おぼろに、けぶる月」という言葉がありますが、沙砂漠では湿度が極端に低くなるために朧月は、あまりないそうです。クリアーでキラキラと星や月が輝く夜空が多いそうです。
4.砂漠での暮らしや生活を知らない人の表現
歌詞の中で「金と銀の鞍」とありますが、これもあり得ないそうです。
金や銀は重いので移動には向かないし、もし金や銀の鞍だと移動中に水温が上がってしまい使い物にならなくなるそうです。通常、遊牧民は羊の革袋を使うそうです。
この詩を書いた加藤氏は、後日「沙漠に行ったことがないから想像で歌詞を書いた。」と話しています。おいおい・・・。
・・まあ、そういうわけで、この童謡「月の沙漠」は、
“思い込みではなくちゃんと確認することの必要性”を我々に教えてくれます。
<<月の沙漠公園に行くには>>
JR外房線御宿駅から徒歩10分
住所:千葉県 御宿町 六軒町505-1
【関係するHP】
●公益社団法人 千葉県観光物産協会の公式HP