2019年も6月に入り、いよいよ梅雨の時期がきますね。
この季節、日本各地で水害がよく起こります。
その1つ、1982年に発生し、
死者行方不明者299人の被害を出した長崎水害の傷跡を
見てきました。
(長崎大水害)
1982年(昭和57年)7月23日、長崎県中部から南部に停滞した梅雨前線は、降り始めから翌24日までの総雨量が572ミリを記録。
特に長崎市の北にある長与町では23日午後8時までの1時間に187mmの雨量を観測しました。これは日本の時間雨量の歴代最高記録となっています。また西彼杵郡外海町では23日午後8時までの2時間に286mmの雨量を観測しています。
長崎市を中心に発生した集中豪雨やその影響によるがけ崩れなどの災害で、死者行方不明者299人をはじめ住宅被害39755戸、がけ崩れ4306か所、地滑り151か所をひき起こしました。(被害の数値は国土交通省九州地方整備局より)
すさまじい被害ですね。
ここで、おっさんはいつも思うのですが、雨量を言われてもピンとこないですよね。
どれくらいの規模の降雨量なのか想像つかないですよね。
そこで、おっさんは調べました。
1、程度
気象庁では、1時間の雨量が80ミリ以上だと、「猛烈な雨」と表現し
「雨による大規模な災害の発生する恐れが強く、厳重な警戒が必要」という状態です。
1時間に100ミリの雨は、大変な被害のおそれがある猛烈な雨です。
この時は、降った雨がそのまま流れずに溜まるとしたら、1時間で水深10cmたまる、つまり、道路が冠水する恐れや河川が増水するかもしれないレベルです。
さらに1時間に150ミリの雨となると目の前が雨で白くなり、はっきりと見えなくなるほどの大雨です。
2、比較
例えば、外海町で記録された2時間で286mm、これは アフリカのナミビア、マリ、ソマリアの年間降雨量を超えます。つまり1時間でナミビアやマリ、ソマリアの1年で降る雨の量以上降ったということです。
我が国観測史上最大となった長与町で記録された1時間に187mmは、中央アジアのトルクメニスタンの年間降雨量をこえます。
すさまじい雨量の長崎豪雨、長崎市内には当時の豪雨の水位が記録されています。↓
↑身長175センチのおっさんより少し低いくらい。水がここまで来たんですね!!
(被害拡大)
この豪雨で長崎市内では各河川が次々と氾濫し、国道も寸断され、床上、床下浸水は勿論の事、数多くの家屋が倒壊するなど、甚大な被害が起きました。被害は長崎以外に熊本、佐賀などでも起きています。
この長崎大水害がきっかけで現在、気象庁が「記録的短時間大雨情報」を発表するようになりました。
長崎大水害のなかでも、長崎市内を流れる中島川にかかる石橋の被害が激しく、重要無形文化財の眼鏡橋が半壊、その他の市指定文化財の石橋も多くが全壊しました。
(眼鏡橋)
長崎のシンボルの1つである眼鏡橋は、1634年に架設された長さ22メートル、幅3.65メートル、高さ5.46メートルの日本初のアーチ式石橋です。今も多くの観光客に親しまれています。
眼鏡橋は長崎大水害で一部崩壊しましたが、翌年に復元され、多くの観光客が訪れています。
※眼鏡橋は、東京の日本橋、山口県岩国市にある錦帯橋とあわせて日本三大名橋です。
最近は、本当日「ゲリラ豪雨」という名の無茶苦茶な雨が降り、毎年のように梅雨の時期には各地で被害が起きています。
皆さん、テレビやラジオ、ネットの情報を確保し、災害が起きそうになったらいち早く避難するなど手を打ってください。
<<眼鏡橋の行き方>>
JR長崎駅から路面電車「蛍茶屋」行きに乗り「市民会館」下車、徒歩5分程度
住所:長崎市魚の町
長崎県公式観光旅行情報サイト HP