福岡県北九州市の小倉一体は、かつて「小倉県」だった。
(明治初期は、日本には県が302もあった!!)
現在、日本は47都道府県(都が東京都、道が北海道、府が京都府と大阪府の2つ、
そして県が43県)ですが、1871年(明治4年)には1使(開拓使)3府(東京府・京都府・大阪府)302県という時代がありました。
(4年半だけ存在した小倉県)
今では、なくなってしまった県の1つが、福岡県北九州市の小倉一帯にあった小倉県でした。
小倉県は、1871年(明治4年)から1876年(明治9年)まで4年半ほど存在しました。
福岡県北九州市小倉北区にある商業施設リバーウォーク北九州の向かい側、国道199号線=勝山通り沿いには、小倉北区役所が設置した「小倉県庁跡」の案内板があります。
その案内板の後ろには2階建ての木造の洋館があります。
この建物は、小倉県庁の建物だと思われていましたが、その後の調査で、小倉県庁の建物の部材を利用して1900年(明治23年)に小倉警察署庁舎として建設された…ということが判明しています。
この建物の裏には、長崎街道が走っています。
長崎街道は、鎖国をしていた江戸時代に、西洋との唯一の窓口である長崎から西洋の文化や風習が江戸へと伝わる重要な道路でした。
この長崎街道に面した跡地には、小倉県庁があったことを示す石碑もあります。
1871年(明治4年)11月にできた小倉県ですが、1876年(明治9年)4月には、福岡県に合併され、消滅します。わずか4年半でした。
↑こちらは、道路の裏側から撮影。
この建物は、その後、民間に払い下げられたあとは、長く病院として使われていました。現在は、建物の姿を生かしたまま、お店になっています。
今残っているこの建物は、2012年には国の登録有形文化財に認定されています。
★おまけ
(なぜ、九州というか)
現在、九州は、福岡、熊本、佐賀、長崎、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の8県。
なぜ、九州というのかは、九州地区の旧国名が、筑前、筑後、肥前、肥後、豊前、豊後、日向、薩摩、大隅の9つだったから「九州」。
(九州の県の変遷)
・1871年(明治4年)には、大分、小倉、福岡、三潴、伊万里、佐賀、長崎、熊本、
八代、宮崎、美々津の11県。
・1876年(明治9年)には、大分、福岡、長崎、熊本、鹿児島の5県。
現在の佐賀県が長崎県に、宮崎県が鹿児島県に合併していました。
<<旧小倉県庁跡への行き方>>
【所在地】小倉北区室町二丁目2-1 リバーウォーク前