その地で必勝を祈願して植えた杉があるという神社が、
東京杉並区にあります。
天沼熊野神社です。
JR中央線の荻窪駅から15分歩いた住宅地にあるのが、この天沼熊野神社。
768年に創立されたと伝えられています。768年といいますと、奈良時代ですね。
(新田義貞が植えたという出世杉)
この神社は、新田義貞と関係があります。
鎌倉時代末期、源氏の流れをくむ御家人の新田義貞は1333年鎌倉に攻め込みます。
その時、この地に陣を構え、社殿を創設したという説があります。
現在、本殿の左側には、直径2mの杉の切株が飾られています。
この杉は新田義貞が鎌倉幕府を攻めるときに戦勝祈願をして植えたものと伝えられています。
新田義貞に攻められた鎌倉幕府は1333年5月22日、最高権力者の北条高時が自刃します。これによって、日本初の武家政権・鎌倉幕府が滅亡しました。
新田義貞が戦勝を祈願し、見事実現したために、彼が植えたこの杉は「新願成就の杉」あるいは「出世杉」と呼ばれていました。
この木は、もともとは社本殿の前に植えられていましたが、1946年(昭和21年)に枯れてしまったため切り倒され、現在は株だけが残され、保管されています。
サラリーマンとして出世とは程遠いおっさんは、この杉に、自らの出世を祈願してきました。
(力石)
神社には、石を持ち上げて、力を競い合ったという「力石」がありました。
力石は、文字通り石を持ち上げて力を競うものです。
江戸時代から明治時代にかけては、このような力石を持ち上げたり、持ち上げて歩き回って怪力を競う力試しが、神社の祭りの出し物や村の行事として各地で行われてていました。
(6月30日は、コロナ大祓い)
天沼熊野神社では、毎年6月30日に夏越しの大祓を行っています。
今年2020年(令和2年)は、新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るっています。
そのため、今年は通常にくわえ、新型コロナ退散も同時に祈願するそうです。
午後6時開始、どなたでも参加できるそうです。
【天沼熊野神社公式HP】
<<天沼熊野神社への行き方>>
JR荻窪駅徒歩15分
住所:杉並区天沼2-40-2