2022年(令和4年)7月29日(金)は
旧暦の6月30日にあたります。
当日夕方6時、
古事記に神武天皇が東征の折に逗留したと
記載されている岡田宮で
夏越祭が行われたので参加してきました。
(古事記や日本書紀に登場する岡田宮)
岡田宮(おかだぐう)は、福岡県北九州市八幡西区黒崎地区にある神社です。
神武天皇が日向国から東征に向かう途中に、岡田宮に詣り天神地祇の八神をまつり、
この地に留まったということが古事記に書かれています。
また199年には、神功皇后が三韓征討のときに、岡田宮に詣り八所神をまつったことが日本書紀に書かれています。
このように岡田宮は2000年近い歴史を持つと言われる神社です。
(夏越祭)
2022年(令和4年)7月29日・旧暦の6月30日に福岡県北九州市にある神武天皇ゆかりの
岡田宮で夏越祭が行われました。
夏越祭は、1年の半分が過ぎた6月の晦日(みそか)に1年の前半の穢れを祓って無事に過ごせたことに感謝し、災厄を祓い、後半の無病息災を願うものです。
夏越祭は夕方6時に本殿で始まりました。
その前に社務所で形代(かたしろ)をもらい、裏の人間の形をした部分に名前と住所と年齢を記述し、これで身体を拭いたあとに、神社に渡します。神社が夏患いをしないように御祈りしてくれます。
形代は、神霊が依り憑く依り代の一種で人間の身代わりとされていました。
初穂料は1000円です。
形代と初穂料をおさめると神拝詞と神授を頂きました。
その後、社務所で神事が行われました。
参列者はおっさんを含め15人程度でした。
で、本殿で行われたのは順番的に・・
①お祓い
②宮司の一礼
④巫女さんによる舞の奉納
⑤宮司玉串奉納・・・ここで参列者全員が立ち上がり大祓いの言葉を唱えます。
最初にもらった「神拝詞」に大祓いの言葉が書かれています。
⑥参列者玉串拝礼
⑦宮司一拝
⑧宮司挨拶
その後、境内に行き参列者全員で茅の輪くぐりを行います。
(茅の輪)
茅の輪とは、茅(ちがや)というイネ科の植物で編んだ輪のことです。この茅の輪を
くぐることは、「茅の輪くぐり」とも呼ばれ、罪や穢れを落とすとされています。
夏越祭では本殿での神事のあと境内に出て、宮司を先頭に神事参列者が1列に並び茅の輪をくぐります。
境内では、茅の輪くぐりの最中は雅楽の生演奏がありました。(画面右)
豪華やねええ・・。
(くぐり方)
茅の輪くぐりには、作法があります。
茅の輪の前に立ち、ご本殿に向かって一礼をします。
「水無月の 夏越しの祓する人は 千歳の命 のぶというなり」と唱えながら左まわりにくぐり、茅の輪の前に戻ります。
2回目も一礼をし、同様に唱えながら右まわりにくぐって茅の輪の前に戻ります。
3回目も一礼をし、同様に唱えながら左まわりにくぐって茅の輪の前に戻ります。
このように左まわり → 右まわり → 左まわりと8の字を描くように合計3回茅の輪をくぐって回ります
そして最後に本殿に進み、お参りします。
参拝して、夏越祭の全作業が終了。
傍らには茅があり、最後はそれを頂きました。
(茅の輪くぐりの由来)
岡田宮の宮司によると、この茅の輪くぐりは、旅していたスサノオノミコトが旅先で親切にしてもらったお礼に「もうすぐ村に疫病が出るから茅を編んで難を逃れなさい」と教えました。
やがて予言通り病がはやりますが、スサノオの助言に従い茅で輪を編んだことで難を
逃れることができたそうです。
(御札と御神饌)
夏越祭の最初に受付で形代を渡したときに神社からもらった「神授」と書かれた封筒には、玄関に貼るとよろしいという御札と「御神饌」と書かれた米が入っていました。
【岡田宮公式HP】
【現在の暦の6月30日に実施する神社も‥】
夏越の大祓いは、関東では旧暦ではなく現在の暦の6月30日に行っている神社が多いようです、2020年(令和元年)には映画「君の名は」のモデルとなった須賀神社で開かれた夏越の大祓いを見てきました。
1年の前半の穢れを祓って無事に過ごせたことに感謝し、災厄を祓い後半の無病息災を願う夏越祭。いい風習です。もっと多くの方に参加して欲しいですね。