
【実物新聞あり】
日本軍はカナダ本土を砲撃していた!
1942年(昭和17年)6月23日付の新聞が伝えた
「カナダ初攻撃」!
はじめに
太平洋戦争中、日本軍は真珠湾攻撃やシンガポール攻略だけでなく、実は北米大陸のカナダ本土にも攻撃を行っていました。
今回、1942年(昭和17年)6月23日付朝日新聞を入手したところ、
「カナダに初攻撃を敢行」
という大きな見出し!!

実際の新聞記事

昭和17年6月22日付朝日新聞の一面記事です、
カナダに初攻撃を敢行
という大見出しが躍り、
右側には
バンクーバー島砲撃
との文字が見えます。
日本軍によるカナダ本土攻撃
1942年(昭和17年)6月20日、日本海軍は乙型潜水艦の「伊号第二十六潜水艦」(伊26)がカナダのバンクーバー西方5浬地点で浮上します。

そして、伊26は、14センチ砲でカナダ本土西海岸・太平洋岸のバンクーバー島エステヴァン岬にあるカナダ軍の無線羅針局を砲撃しました。
いかし、荒天と視界不良により命中せず、ほとんどがエステバンポイントの灯台周辺に着弾しました。


砲撃後、伊26は現場を離れます。
これに対し、5隻のカナダ船とカナダ空軍のスーパーマリン ストランレアが伊26の迎撃に向いますが、伊26を見つけられません。
伊26は、30日に哨戒区域を離れ、7月7日に横須賀に到着しました。
この伊26によるカナダ本土砲撃の軍事的損害は小さかったものの、
「日本軍が北米大陸のカナダ本土を攻撃した」
という事実は大きな衝撃を与えました。
新聞はどう報じたのか
記事には次のような内容が記されています。
日本軍の英国領カナダに対する最初の地上攻撃である
さらに、
この攻撃はミッドウェー海戦について勝利を宣伝する米軍への無言の回答である
とも書かれています。
興味深いのは、実際の被害状況よりも、
「日本軍がなお攻勢を続けている」
という印象を国民へ与えることに重点が置かれている点です。
ミッドウェー海戦との関係
この砲撃が行われたのは、ミッドウェー海戦の直後でした。
日本海軍は空母4隻を失う大敗を喫していましたが、その事実は国民には知らされていませんでした。
そのため新聞記事でも、日本軍が北米を攻撃したというニュースが大きく報じられ、
むしろ日本優勢を印象付ける材料として扱われています。
現在の私たちはミッドウェー海戦の結果を知っているため、この記事を読むと戦時報道の特徴がよく分かります。
他の新聞記事
他の新聞記事も入手しました。

雑誌の記事
大平洋戦争中の1943年(昭和18年)6月に出版された「大東亜戦争記録画報 後編」にはこのカナダ本土攻撃をこう記述しています。

(出典:「大東亜戦争記録画報 後編」:国立国会図書館デジタルアーカイブス
https://dl.ndl.go.jp/pid/1906758/1/114)
おわりに
バンクーバー島砲撃は、軍事的には大きな戦果を挙げた作戦ではありませんでした。
しかし昭和17年当時の新聞を見ると、
「北米本土を攻撃した」
という事実そのものが大きなニュースとして扱われていたことが分かります。
大平洋戦争当時の新聞は、単に出来事を伝える資料ではなく、
当時の日本人が何を知り、何を知らされていたのかを教えてくれる貴重な歴史資料でもあります。





