福岡県北九州市、関門海峡に面した門司区には、「バナナのたたき売りの発祥の地碑」があります。
「バナナの叩き売り発祥の地碑」は、鹿児島本線の起点・JR門司港駅前、正面から見て
左側にその石碑があります。
(かつてバナナは高級果物でした)
果物のバナナは南の暖かな地域に生息する甘くて高級な果物でした。
当時は甘くておいしいいお菓子がそれほどなく、またバナナを保存する冷凍技術が
発達してなかったために、バナナはすぐに傷んでしまいます。
そのためバナナは庶民の手にはそう簡単には届かない高級果物の1つでした。
明治時代末期、バナナの多くは台湾から大量に船で輸入されていました。
当時のバナナの売り方は、まず青い状態で輸入され、セリで落とされます。
そして、その青いバナナは、地下室で蒸されて、黄色のバナナとなって、市場に売り出されるのが普通でした。
(売れないバナナを処分するより売って金にしよう!)
主に台湾から運んでいたバナナ。
しかし、保存技術が今のように確立していない船による長い輸送のため、
途中で青いバナナの中にはどうしても熟れて黄色くなるものもでてきます。
また輸送中に傷がついたバナナは商品価値が大きく落ちてしまいます。
そこでそのようなバナナを廃棄するのではなく、換金する方法として、露天商が
売りさばく方法が生まれました。これが「バナナの叩き売り」です。
つまり、バナナの叩き売りは、台湾から神戸にバナナを運ぶ際に、売り物にならない
バナナを売ったのが始まりだといわれています。
門司港駅前広場にある「バナナのたたき売り碑」の傍らには、説明版がありました。
(バナナのたたき売りは門司生まれ)
バナナのたたき売りの発祥の地は、福岡県北九州市の門司港です。
門司港は、バナナを仕入れた台湾から神戸に向かうルートの間にありました。
そのため、このまま神戸にもっていっても商品にならないと判断したバナナは
途中の門司港で、たたき売りされました。
しかし、物流の進化、冷凍保存技術の発達などにより「バナナの叩き売り」は廃れていきます。
最近ではイベントや夜店で見かける程度です。
バナナのたたき売りのポピュラーなスタイルは、一房のバナナを価格の高い値段から徐々に値を下げていく 投げ売りダンピング方式です。
(今もたたき売りは行われています)
門司港でのバナナの『門司港バナナの叩き売り連合会』という会があり、この会によって受け継がれています。2017年(平成20年)4月には日本遺産に認定されています。
毎月第1から4土曜日と第2・4日曜日の各日13時から門司港レトロ観光物産館港ハウス前で行われていますし、イベントでもよく見かけます。
門司港駅で行われたこともあります。
【バナナのたたき売り 北九州市役所公式HP】
<<バナナたたきうり発祥の地碑への行き方>>
JR門司港駅徒歩1分、正面広場、
【この地図の左下にある四角い写真をクリックすると航空写真に変わります。
地図上のルートを押すと道案内をしてくれます】