能は、中学校のときイベントがあり、そこで見たことがありましたが薪能は初めて
です。
今回の薪能の会場は小倉城の城内。小倉駅から歩いて15分くらいの距離にあります。
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(薪能)
能楽堂で演じられる能では、松の絵を描いた背景がありますが、今回の薪能では夜の
小倉城が背景になっています。
(午後5時半、薪能開始)
夕方5時半に開催、説明の後、火入れ式があり、両側の薪に火が付けられます。
午後6時からは、
狂言の「酢萱(すはじかみ)」。そのあと能の「土蜘(つちくも)」が演じられました。
時間は1時間程度。
「酢萱」は酢を売る人と萱を売る商人がそれぞれ目に触れた物に対し、「酢」や「萱」の音がつく言葉を取り入れ競い合う、言葉遊びです。
「土蜘」は、病に伏せ日に日に弱くなっていく主人公の源頼光のもとに僧が現れ、この僧が大きな蜘蛛になります。頼光は、出現したこの蜘蛛を切りつけると、蜘蛛はいなくなります。
ここまでが、前半。
前半が終わり、間に短い狂言が入り、後半になります。
後半は、蜘蛛を退治しようとアジトに向かった頼光などが、蜘蛛と対決します。
ここでは、蜘蛛が手から白い蜘蛛の糸を飛び出す派手な演出が続きます。
暗い夜空に、白い蜘蛛の糸・・・凄く絵になります。
最後は、蜘蛛が斬り落とされます。
蜘蛛の糸は、おっさんが座っている客席まで飛んできました。
蜘蛛の糸は、細くて薄い白い紙です。
能が終わった舞台には、蜘蛛の糸がひっかかっているのがわかります。
薪能は、夜空、薪の炎、虫の声、小倉城が舞台に溶け込んで、実に雅びであり、風流であります。
約400人の観客が、小倉城内で、かがり火の炎が秋の宵を照らす中で繰り広げられる伝統芸能の世界を楽しみました。
(能の歴史)
能は、謡(うた)、音楽の囃子、舞の3つが1つになったものです。
その歴史を見ると、
6世紀中頃、奈良時代に、中国の「散楽」や「雅楽」が伝わり、これが日本古来の芸能と融合し「猿楽」が流行します。
その後、室町時代の足利義満の頃に、現在の歌や踊りを中心にした「能」、や世相を
風刺したり笑いの要素を取り入れた「狂言」の形ができました。
季節的に暑くもなく寒くもないし
薪の炎は幽玄の世界を生み出すし
薪能は、なかなかいいもんでした。
※主催者から能を演じている時の写真及び動画の撮影は禁じられていたため、今回は能を演じている写真はありません