日刊  おっさんの人生これから大逆転だぜえ!(日本史+史跡+旅情報)

普通の会社員の“おっさん”が、パワースポットや史跡、戦跡を巡った記録です。旅行に出かけるときの参考にしてね! 史跡や歴史から学び 運気を上げて、“人生大逆転”を狙います。

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小倉城で薪能を鑑賞

2022年(令和4年)10月1日土曜日、
福岡県北九州市小倉北区にある小倉城
薪能がありました。
秋の夜、虫の音を聞きながら 
かがり火で照らされたなかで舞う能の世界、
雅な世界でした。

薪能小倉城天守閣前広場で行われました。

(今回演じられたのは3品目)

17時に簡単な能・狂言の解説があり、まず仕舞と狂言が演じられました。

※ただし、今回、上演中の撮影は禁じられましたので、それを遵守しました。
ですから能や狂言の写真はありません。

 

①仕舞「邯鄲(かんたん)」

古代中国の国・蜀の男は、仏道によって悟りを得ようと楚国・羊飛山の高僧を尋ねる
旅に出る途中で、邯鄲と言う場所にある宿に泊まります。
この宿で、男は過去未来について悟りを開くことができるという邯鄲の枕で眠ります。
やがて、枕元に楚国から勅使や大臣たちが迎えに来て、男はなんと帝位につきます。
即位後五十年間、絢爛豪華な宮殿で栄華を極めた盧生は、千年生きるという仙境の菊の酒を飲み喜んで舞を舞います。得意の絶頂です。
しかし・・・男は女主人の声で目覚めます。男が見たのは夢だったのです。
そして故郷へと帰っていくという、なんとも考えさせられる話です。

 

狂言 「隠狸」

主人は太郎冠者に、君は狸を上手に釣るのではないかと言いますが、太郎冠者は否定します。そこで主人は、太郎冠者に客人をもてなすので狸を市場に買いに行くように命じます。
実は太郎冠者は狸取りの名人で、昨夜も狸を取ったのでそれを市場に売りに出かけます。一方、あやしいとにらんだ主人は市場で待ち伏せします。
市場で遭遇した2人。あわてて帰ろうとする太郎冠者に主人は酒を勧めて舞をまわせ、その隙に太郎冠者が腰に隠していた狸を盗みます。
さらに主人は狸を盗んだことを知らんふりをしてそのまま太郎冠者に小舞を教えてほしいと願います。
この舞が最後に太郎冠者の「うさぎじゃ」という文句で終わったとたん、主人が「狸じゃ」と言い、さきほど盗んだ狸を太郎冠者の顔に突きつけます。
バツが悪い太郎冠者は、さっさと逃げて行く・・・という笑い話です。

(薪点火)

ここで、夜も更けあたりも暗くなり、かがり火に灯がともります。
能楽堂で演じられる能では、松の絵を描いた背景がありますが、今回の薪能 では夜の小倉城が背景になっています。秋の虫の音が凄くいい感じを出しています。

新作能 「江戸桜小倉城
今回薪能で演じられる能は、今回の小倉城の能のために作られ、今回が初披露です。
あらすじは・・・
1959年(昭和34年)に小倉城が再建された直後、小倉城下の紫川にある桜を眺めていたら女性の幽霊が現れます。
幕末に小倉藩長州藩が戦いますが、その時の小倉藩九代目当主の小笠原忠幹(ただよし)の妻の幽霊といいます。この女性の霊は、他の城では禁じられていた桜が小倉城では許され見事だったと言い姿を消します。

次に小倉藩を率いた島津志津摩の子孫が登場し長州藩奇兵隊との戦いを物語ります。
やがて四人の吉野桜の精が登場し、さらにそこに忠幹の妻の霊も現れて合流し、これから、小倉城・北九州を守ると誓うという話です。

薪の炎、雅楽の演奏、虫の音、ライトアップされた小倉城、秋の夜。。。見事にマッチした雅な世界です。

(能の歴史)

能は、謡(うた)、音楽の囃子、舞の3つが1つになったものです。

その歴史を見ると、6世紀中頃、奈良時代に、中国の「散楽」や「雅楽」が伝わり、これが日本古来の芸能と融合し「猿楽」が流行します。

その後、室町時代足利義満の頃に、現在の歌や踊りを中心にした「能」や世相を
風刺したり笑いの要素を取り入れた「狂言」の形ができました。

 

 

織田信長や足利将軍など天下人が楽しんだ能、
21世紀・令和の時代でも十分面白いです。