日刊  おっさんの人生これから大逆転だぜえ!(日本史+史跡+旅情報)

普通の会社員の“おっさん”が、パワースポットや史跡、戦跡を巡った記録です。旅行に出かけるときの参考にしてね! 史跡や歴史から学び 運気を上げて、“人生大逆転”を狙います。

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命綱なしで高さ10mの柱にのぼり、さらに火渡りもする湯立(ゆだて)神楽  (福岡県豊前市)

左は高さ10メートルの竹の上でのアクロバット。命綱なしです!
左は、湯を沸かしたの火の上を歩く❝火渡り❞。
もちろん裸足です!

これは福岡県豊前市で行われた湯立神楽です。


 (秋は神楽の季節) 

福岡県の東部と大分県の北部にまたがる旧豊前(ぶぜん)地区には豊前神楽が伝わっていて、毎年秋から年末にかけて、1年の豊作を祝い五穀豊穣を祈る祭りとして市内50ヶ所余りの神社で神楽が奉納されています。
そのため、この時期は各神社で夜更けまで神楽のお囃子が響きます。

 

(全国的にも珍しい湯立神楽
その豊前神楽の中でも湯立神楽は全国的にも珍しい神楽です。
今回、2022年(令和4年)11月5日(土)、福岡県豊前市に行き、湯立神楽を見てきました。

 

湯立神楽の何が珍しいのか??そうお思いの方、まあ見てください。

 

湯立神楽

湯立神楽では神社の広場に設けられた10メートル四方の斎湯(ゆにわ=御神屋)の中央に湯鉾(ゆほこ)とよばれる10メートルの竹の柱がたてられ、その隣に「湯立て」の釜が設営されます。

そして日が暮れてあたりが暗くなると雰囲気が凄く良くなります。
午後6時湯立神楽開始です。

 

音楽は、笛・鐘・太鼓の3人の生演奏です。

神楽が始まると、駈仙(みさき)という鬼が現れ、湯鉾や湯立の釜がある斎湯を駆け回ります。

結局、鬼は5匹現れました。

鬼は、見学者の赤ちゃんをだっこしたり、写真撮影のポーズをとったり・・なかなか
サービスしてくれます。

5匹の鬼のうち3匹が、高さ約10mの湯鉾登りに挑戦しました。
最初の2匹は全部は登れませんでした。しかし実は、これはわざと途中までしか登らないそうです。

最後の1匹が10メートルの竹の柱の最後まで登ります。

その登るスピードが軽やか!まるで、ヤシの木に登るサルのようにスルスルと登るんですよ!

あっという間にてっぺんまで。。高さ10メートルですよ!見ている方が怖い!!

鬼は湯鉾の上部に取り付けられた紙を落とします。これは修験道の儀式が神楽に組み入れられたものだそうです。

また、鬼は命綱なしで、高さ10メートルの湯鉾の上で逆さになります。
お面をつけているから視界が悪いはずなのに・・

さらに、こんなことも!!

写真を拡大すると・・・足を綱にかけただけですよ。何度も言いますが命綱なしです!!

最後は、湯鉾を支える綱をつたわってすーっと降りてきます。軽業師です!!
見事に着地した瞬間、大拍手です!!

高さ10m余の柱に鬼が登るという神楽は、全国的にも非常に珍しいそうです。

 

(火渡り)

神楽の最後は火渡り。山伏の荒行でよく見る火渡りを神楽でやるんですよ!!

湯釜を沸かすのに用いた薪の火、この火の上を裸足で歩くんです。
御覧のように、まだ全然火が消えていませんよ。

神職が3回、3方向から裸足でこの上を歩きました。

熱いからといって急ぎ足で行くのではなく、普通の歩くスピードで、燃えた火の上を歩きます。

こうして湯立神楽は2時間くらいで終了、すごく見ごたえがありました。
湯立神楽で観られた、このように高さ10メートルの柱に登り御幣(へい)を切る所作や、火渡りは、修験道の流れや山伏の姿を連想させるそうです。

 

(6つの保存団体がある豊前神楽)

神楽は、五穀豊穣(新嘗祭、収穫感謝)、太陽復活(鎮魂)儀礼、無病息災、各種の
繁栄祈願などを目的として行われます。

今回、湯立神楽を鑑賞した豊前市では六つの保存団体が神楽を伝承しています。
豊前神楽は、すでに中世の頃には成立していたそうで、文献などでその内容が確認できるのは江戸時代以降だそうです。
そして2016年(平成28年)3月には、国の重要無形民俗文化財に指定されました。

豊前市観光協会公式HP 豊前神楽】

神楽は、五穀豊穣や子孫繁栄などを祈るものですが、
今回見た湯立神楽は、

今まで想像していた神楽とは一味も二味も違う
豪快で雄大な神楽でした。

福岡県豊前市湯立神楽、お見事!!