昭和天皇の隣に座り馬車に乗る満州国皇帝・溥儀・・。
実は、満州国皇帝の溥儀は、日本史上ただ1人、
天皇が自ら迎えに行った国家元首です。
「天皇が自ら出向いて国家元首を迎えに行く」。
そんな日本史上唯一の最高級の待遇を受けた溥儀。
しかも2度も天皇の出迎えを受けています。
(満州国皇帝溥儀)
1932年(昭和7年)3月1日、中国東北部の満州に満州国が建国されます。
清朝、最後の皇帝だった溥儀は、満州国が建国された2年後の1934年(昭和9年)3月1日に満州国の皇帝となります。
(2度も天皇の出迎えを受けた唯一の国家元首)
溥儀は、満州国皇帝時代、1935年(昭和10年)4月6日、初来日をしています。
このとき、昭和天皇が、東京駅のホームまで溥儀を迎えにいってます。
これは、日本の歴史上、初めて、天皇が出向いて外国の国家元首を出迎えたという
非常にめづらしい出来事です。
しかも、昭和天皇から先に握手を求めています。これも超異例の出来事です。
(出典:「満州国皇帝陛下御来訪記念写真帖」(昭和10年:1935年出版)28ページより抜粋:デジタル国会図書館https://dl.ndl.go.jp/pid/1178554/1/28)
そして1940年(昭和15年)6月26日には2回目の来日を果たします。
いずれの訪日時も、下の写真にあるように、いずれも特別列車で東京駅に到着した溥儀に対し、昭和天皇が駅のホームまで出迎え固い握手を交わしています。
また、溥儀が訪日した初日には、いずれも赤坂離宮に向かいますが、
第1回は馬車、2回目は自動車でむかえっています。
(2人そろってTIMEの表紙に)
下は1936年(昭和11年)2月24日に発行されたニュース雑誌・TIMEの表紙です。
上の段が、昭和天皇と満州国皇帝・溥儀。
下の段は、スターリンと蒋介石です。
(満州国皇帝溥儀の初来日時には、写真集が複数出版されました。その写真集は、国立国会図書館デジタルで無料で見ることができます。下をクリックして御覧下さい)
【満洲国皇帝陛下御来訪記念写真帖】
【満洲国皇帝陛下御来訪記念写真帖】
(3度目の訪日は東京裁判)
溥儀は、満州国皇帝として2度、日本を訪問し、最高級の待遇を各地で受けました。
終戦後、満州国は崩壊し、溥儀はソ連につかまりソ連の強制収容所に収監されます。
その翌年の1946年(昭和21年)5月3に開廷した東京裁判で来日します。
下の写真は1946年(昭和21年)8月9日に撮影されたソ連軍将校と東京裁判に向かう溥儀です。
溥儀は8月16日よりソ連側の証人として証言をします。これが溥儀3度目でかつ最後の
訪日となりました。
溥儀の人生に関してはこの本がお勧めです👇
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日本史上唯一、
天皇が自ら出向いて迎えに行った国家元首、
満州国皇帝・溥儀。
このことから
日本と満州国とのつながりの深さがわかります。