どうする家康の第30話タイトルは「新たなる覇者」です。今回の平均世帯視聴率は9・4%前回第29話の11・5%から2・1ポイント急落し、第10話の7・2%に続く2度目の1桁視聴率です。
ではストーリーを見ていきましょう。
(秀吉の台頭)
織田家臣からサルと軽んじられてきた秀吉が、天下人として台頭してきます。「新たなる覇者」です。
本能寺で謀反を起こした明智光秀は、秀吉との戦いに敗れ、逃走中に落ち武者狩りにあい命を落とします。
家康は、本能寺の変から、あっという間に光秀を破った秀吉の行動に、驚くと同時に、警戒します。
(清洲会議)
信長亡きあとの方針を決める尾張で行われた清須会議で、秀吉は、織田家の嫡孫・三法師を「信長の正当な血筋を受け継ぐもの」として、2歳にもかかわらず当主にします。そして自身はその後見人となります。
信長の次男・織田信雄と三男・織田信孝は、嫡流でないということで脇においやられます。
さらに三法師が大きくなるまでは、秀吉、柴田勝家、丹羽長秀、池田恒興の4人で政を行うことになりました。しかし秀吉はすでに裏で動き何人かとは相通じ自らの地位を固めていきます。
このように急激に台頭していく秀吉に対し、信長の妹のお市は、秀吉を警戒して、柴田勝家に嫁ぎます。
(地盤を固めるのが先決)
そのころ、家康の家臣は、会議を行いますが、この席で、本多忠勝は、すぐに出陣していれば明智光秀の首をとれ、秀吉の上に立つことができたと、本能寺の変の直後に、
家康が取った態度に不満を抱きます。
これに対し家康は、「近隣諸国を安定させることが大事」と、秀吉とは事を構えず、
北条家との戦いに臨むことになります。
というのは、信長の死によって、旧武田領の甲斐、信濃、上野が空白になり、それを真田が狙っていました。さらにその真田を巻き込み、3国を手中に収めようと関東の一大勢力である北条氏政が狙ってたのです。北条氏政・氏直の父子は、関東地方を支配する強敵です。
家康は「我らが急ぎなすことは、甲斐、信濃、上野を北条に渡さないことじゃ。秀吉のことは、お市さまに任せて、まずは我らは力を蓄えて揺るぎないものにすることじゃ。」と言います。
(北条を破る)
8月に入り、徳川と北条が衝突しました。北条は2万の大軍を率いています。
本多正信が「人数の多い敵軍は、狭いところへ誘い込んでしまえば思い通りに動くことができず、こちらが有利になる」と戦略を授けます。
そのため、戦は徳川に有利に動き、北条から和睦の話がきました。上野一国をもらえたら甲斐、信濃から手を引くと言う内容です。
しかし、この条件では、徳川の臣下に入った真田から、その領土を取り上げることになります。しかし、家康はこの条件をのみ北条と和平に応じます。
これはまた、後日、真田との問題を生み出します。
さらに北条側は、和睦の証として家康の娘を嫁に迎えたいと言い、家康と側室のお葉との間にできた次女・おふうが北条氏直に嫁ぎました。
(柴田勝家と秀吉の戦い)
その年の年末、対立していた羽柴秀吉と柴田勝家の戦がはじまりました。
柴田勝家は、三法師と三男・信孝を担ぎ、秀吉も次男・信雄を担ぎます。
秀吉は長浜城に攻め込みますが、勝家は雪に足止めをされ、北ノ庄城から出られません。その間にも秀吉はどんどん軍を進めていきます。
このとき、家康のもとには、家康の協力を期待して、お市と秀吉の両方から贈り物が届きます。
家臣たちは、お市の味方をしようと言いますが、家康は、様子を見ることにしました。
秀吉の軍は、柴田勝豊の長浜城を落とし、さらに岐阜城の信孝を降伏させて、三法師を奪還します。
快進撃を続ける秀吉・・・。
徳川では、柴田を助けるかどうかの軍議が開かれていました。軍議では、多くの者が
柴田勝家を助けるべきだとの意見を出しました。
しかし、本多正信は「今や、ほとんどの織田の重臣が秀吉についておる。それこそが、あの男の才覚。百姓民からの人気もあり、敵に回すのはうまくねえ。これはあくまで、織田の戦。決着がつくまで見守ってみて、勝った方におめでとうございます。と言いにいくのが上策かと存じます。」と冷静に状況を分析します。
(茶々の決意)
家康は、柴田勝家から来た書状に、お市は家康の助けを信じて待っていると書かれていましたが、助けには行きません。
お市は小さいころに交わした「お市様のことは、この竹千代がお助けします」という言葉を信じ家康が助けに来てくれると思い込んでいました。
しかし、そんな願いもむなしく、援軍に来ない家康に対しお市の長女・茶々は「家康は見て見ぬふり。」「徳川様は嘘つきということでございます。茶々はあの方を恨みます」と怒ります。
やがて、北ノ庄城は落ち、柴田勝家とお市は自害、お市の3人の娘は、城を離れ、秀吉のもとに向かいます。
茶々は、別れ際にお市に、「母上の無念は茶々が晴らします。茶々が天下を獲ります」と言います。これは、後日、淀君として家康と対峙する伏線ですね。
(茶々と秀吉)
秀吉はお市が投降して来る事を望んでいました。秀吉は、お市を自分の妻にしようと考えていました。しかし、お市はそれを拒否し自害します。
秀吉は投降してきたお市の長女の茶々の頬をなぞります。すると茶々は、秀吉の手を取り、微笑み、そして秀吉の手を離し、静かに立ち去ります。
柴田勝家とお市が自害したことが、家康の耳に入り、家康は「秀吉はわしが倒す」と決意します。次回第31話は1584年に起きた織田信雄&徳川家康VS羽柴秀吉の「小牧・長久手の戦い」です。