上記の写真は満洲国吉林省敦化にあった
日満パルプ敦化工場です。
この工場一帯で
終戦直後の1945年（昭和20年）8月27日に
ソ連兵により日本人女子が性奴隷にされ、
その女性達の一部が青酸カリで自殺するという
忌まわしい事件が起きています。
敦化事件（とんかじけん）です。
（日ソ中立条約を破棄し日本に参戦）
1945年(昭和20年）8月9日未明、日ソ中立条約を一方的に破棄し、突如としてソ連が、満洲国に侵攻します。
そして8月15日に終戦。満州国にもソ連が続々と進駐してきます。
8月19日、ソ連軍は満州国吉林省敦化市内にも進駐してきます。日本軍敦化守備隊は、降伏し、武装解除をします。
（ソ連兵、日満パルプ製造敦化工場に進駐）
8月22日、ソ連軍は、敦化の重要な産業の1つである日満パルプ製造敦化工場にもやってきます。
この日満パルプ製造敦化工場は、1934年（昭和9年）に、王子製紙が、敦化市街から
５キロほど離れている敦化県城南門外牡丹江左岸に設立した工場です。
工場に隣には、２万坪という広大な敷地のなかに豪華な社宅と社員の福利厚生用のクラブがあり、高さ4.5mの赤いレンガでできた城壁で囲まれていました。
当時は、まだ治安が悪く、夜には匪賊が襲撃する恐れがあったので、煉瓦の塀は二重になっていたそうです。
そして、そこに日本人職員とその家族260人が暮らしていました。
（惨劇）
日満パルプ製造敦化工場にやってきたソ連兵は、戦勝国と言うことから、横暴にふるまい、工場内のクラブの2人の女性従業員をジープで連れ去ります。
そのうち1人は数時間後に戻ってきましたが、もう１人は帰ってきませんでした。彼女たちはソ連兵から集団で何度も性的暴行を受けました。そのため帰らなかった1人は、そのことで絶望し自ら命を絶ったのではないかとも考えられます。
8月25日、ソ連軍は、日本人男性を全員集め10キロほど離れたところにある飛行場の近くの湿地に連行します。
一方、日本人女子は独身寮に集められます。当時、女子は170人ほどいました。彼女たちは15.6人ごとに分けられ監禁されます。
8月26日夜明け、酒に酔ったソ連兵たちが、短機関銃を空に乱射しながら、日本人女性たちが監禁されている各部屋に入っていきます。
そして女性たちの顔を視て品定めを行い、自分が気に入った女性たちを連れていきます。そして性的暴力を繰り広げます。なんという蛮行！日本人女性を単なる物として扱っているのです！
敗戦国という立場から日本人女性は何もすることができず、ソ連兵の性処理の相手を延々とさせられます。このような複数のソ連兵による日本人女性への連続的な性的暴力は朝まで続きます。
さらに、ソ連兵たちは日本人女性たちの部屋がある廊下に監視兵を置き、彼女達の行動を見張るので、日本人女性はトイレや食事も自由にできない状況に追い詰められます。
このようなソ連兵による日本人女性たちへの昼夜に渡る性的暴行は、8月27日の深夜になっても続きます。
戦争に負けたと言うだけで、日本人の一般女性が戦勝国ソ連兵の性奴隷にされるというこの屈辱的出来事・・・。日本人女性達は、終わりが見えないソ連兵達からの性的暴力に震えながら過ごします。
28人の婦女子が集められていたある部屋では、このような屈辱に対し、このまま生きていても望みがないことから、自決をしようという意見が出ます。
なんと、その議論中にもソ連兵が乱入し、女性を連れて行き性的暴力を行います。
（青酸カリで集団自決）
やがて軟禁されていた28人部屋の日本人女性社員は、隠し持っていた青酸カリを分け合い、全員で自決を図ります。
この自決で23人が死亡。死にきれず助かった人は子供をいれて５名でした。
また、他の部屋では、剃刀で自殺を図った女性もいました。
8月27日早朝に、ソ連兵が集団自決を発見し、証拠隠滅のためその遺体をどこかへ運び去ります。
そして、ソ連軍による日本人女性に対し性的暴行が沈静化します。
ソ連軍により寮に軟禁され、ソ連兵の性処理係として扱われた170名ほどの日本人女子のうち、28名が青酸カリで自決し23名が死亡しました。
また生き残った人々も、劣悪な環境と粗末な医療や食事のために、飢えや寒さ、さらに
発疹チフスなどで87名が死亡しました。
戦争に負けただけで、一般市民が戦勝国から一方的に性奴隷を強いられるという非人道的扱いを受け続けたのです。
この出来事・史実を忘れてはいけません！
8月26日は、
終戦直後、満州の地で起きた惨劇、蛮行である
敦化事件が起きた日です。
