梅雨である。うっとおしい梅雨である。
「あ~した、天気にな~れ!」と飛ばしていた下駄。
その下駄を絵馬にした神社があるというので、
おっさんは行ってきたよ!
「下駄の絵馬」というユニークな神社は、気象神社。
JR高円寺駅南口から歩いてすぐの所にある「氷川神社」の隣にあります。
(軍と気象の関係)
気象神社は、元々は練馬区馬橋池区にあった陸軍気象部にありました。
なぜ気象と陸軍か??
天気予報や気象データは攻撃や護衛などをするときの重要な情報で、軍事作戦と密接に関わっていたために、気象は軍が管轄していました。
例えば、敵陣を攻撃するために焼夷弾を落とすときには、乾燥して強い風が吹く日を狙いました。風が吹く方向から焼夷弾を落とせば風に乗って火が広がり被害が拡大するからです。
また、海から上陸するときには波の高さや風の強さを調べ、穏やかな日を選びます。それがその成果に大きく影響するからです。
そのため、太平洋戦争開戦と同時にラジオや新聞から天気予報なのどの気象情報が消えました。天気予報などの気象情報は軍事作戦に深く関わるとして、軍が国民から隠すよう命令したのです。
気象情報はさらに徹底化されました。当時東京の測候所には、全国から気象観測データが、毎日、送られ、それをもとに天気図が作られ天気予報を発表していました。しかし、情報漏れを防ぐため開戦を境に、観測データはすべて暗号化されました。
(消される運命だった気象神社)
このように軍に関係していた気象神社は、終戦後撤去されるはずでしたが、調査漏れで残存しました。「生き残った」と歴史があることから縁起がいいともいわれています。
今では気象予報士を目指す人の合格祈願や、旅行・運動会など屋外で行うイベントでの快晴を祈願する人、雨男・雨女を返上したい人などが参拝に訪れているそうです。
(下駄の絵馬)
この気象神社の特徴は、鼻緒が赤と黄色の下駄の絵馬。
これは下駄を飛ばして遊んだ「あした天気になーれ!」に因んだものですね。
でも最近、下駄で天気占っている光景を見かけないなあ。
そもそも下駄なんて日常的じゃないし。
この1か月、いや令和になってまだ下駄を履いている人には会っていない。
よく考えると21世になって見かけてないかも・・。
<<気象神社への行き方>>
住所:東京都杉並区高円寺南4-44-19
気象神社 公式HP