日刊  おっさんの人生これから大逆転だぜえ!(日本史+史跡+旅情報)

普通の会社員の“おっさん”が、パワースポットや史跡、戦跡を巡った記録です。旅行に出かけるときの参考にしてね! 史跡や歴史から学び 運気を上げて、“人生大逆転”を狙います。

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久留米市にある遙拝台

福岡県久留米市陸軍墓地に作られた遙拝台。
赤煉瓦の円柱の立派な建物です。

(遙拝台とは・・)

遙拝台(ようはいだい)。。今では聞き慣れない言葉ですが、遙拝をする場所です。
戦前、軍や行事などで、天皇が住む皇居の方向に向かって頭をさげる=宮城遥拝(きゅうじょうようはい)がよく行われていました。「宮城(きゅうじょう)」は皇居のことです。

この遙拝台は、久留米の陸軍墓地に作られた施設の1つです。

(ちょっとわかりにくい場所にある)

師団司令部が置かれ、軍とともに発展した歴史を持つ福岡県久留米市。市内の野中町にある久留米競輪場一帯は、陸軍墓地の跡地で、今も遙拝台が残っているので現地に足を運びました。
ただ、場所が少々わかりにくいです。

駐車場を背中にして左にある小さな山道を進みます。
下の写真では、立ち入り禁止のポールがありましたが、近くにいた駐車場整備員に聞きましたら、車輌の通行禁止であり、歩く分は全然構わないそうです。この道をドンドン進んでいきます。

すると姿を現します。
山の中を歩き、木々に囲まれたその姿を初めて見たとき、一瞬ドキッとしました。何かを感じたのです。

 

遥拝台は、レンガでできた円柱状の建物です。高さ4.8m、底部径6m、屋上径5.8mです。モダンな作りになっています。

(内部立ち入り禁止)

この遙拝台の中にらせん階段が有有り、それを登り屋上にいくと、石の標柱と国旗掲揚台があるので見に行こうとしました。
しかし、訪れた時(2023年:令和5年夏)は、残念な事に立ち入り禁止で、ロープで仕切られていたため中には入れませんでした。

(屋上には「宮城遙拝」と書かれた石碑が)

そこで、外から屋上を見ると・・、石の塔があり、そこに何か書かれているのがわかります。

文字が見えるように、もう少し回り込んでいます。

拡大して見ます。
この石には。「宮城遥拝」とその裏には「皇紀二六〇一」と書かれています。

この遙拝台は、陸軍墓地の付属施設で軍の式典などのときに、遥拝台の屋上から、皇居(当時の呼び名は「宮城)」)の方角に向かって遥拝していました。また、ここでは手信号の訓練も行われていたそうです。

この一帯は、土地を所有するブリヂストン創業者の石橋正二郎氏らが陸軍墓地建設奉賛会へ寄付したもので、1939年(昭和14年)7月に陸軍墓地の建設が始まりました。

そして久留米市も建設費を負担し2年9ヶ月の歳月を掛けて完成しました。遙拝所はその付属施設です。

 

<<遙拝台への行き方>>

JR南久留米駅から徒歩15分程度
住所:福岡県久留米市野中町11

戦前、盛んに行われた遙拝。

赤煉瓦で作られた遙拝台の前に立つと
色んな思いがよぎりました。