九州、福岡県北九州市八幡西区には、神武天皇が日向の美々津を出て神武東征に向かった際に、途中1年間滞在した岡田宮があり、またそこには神武天皇自らが国の安泰を
祈願し祭祀を行った古代祭場跡がありました。
そこが八幡西区にある一宮神社です。
一宮神社は日本書紀に出てくる「岡田の宮」跡で、皇后崎公園(こうがさき)の雑木林に覆われた静かな場所にあります。
北九州市には「岡田」の名がついた岡田神社がありますが、その元宮は一宮神社だそうです。
下の写真が本殿ですが、ちょうど参拝した日は光がさして神秘的でした。
こちら一の鳥居です。
二の鳥居、1900年(明治33年)にできたものですから100年以上前のものです。
(神蹟山 王子本宮)
二の鳥居をくぐると、すぐ左に「神蹟山 王子本宮」という石碑が目に入ります。
石碑に刻まれたこの「王子」は神武天皇です。
ここには神武天皇が1年間滞在したときに、自らお祭りをしたと古事記に記載されて
いる古代斎場・神籬磐境(ひもろぎ いわさか)があります。
神籬磐境(ひもろぎ いわさか)、難しい名前ですが、解説すると神籬(ひもろぎ)は、神代時代に神霊の憑依する所として、清浄な土地を選び、周囲に常盤木を樹て、
神座となしたものです。
磐境(いわさか)は、神を祀るため、磐石をもって築きめぐらした場所です。
(神籬磐境)
これが神籬磐境です。
近くで見てみると、握りこぶしより少し大きな石を集めた直径2メートルほどの円形の石積みと、方形に積まれた石積みがあり、いかにも神事の雰囲気を感じます。
これが古代の斎場だったんですねえ。言われて見ればそんな雰囲気も・・・。
(皇后崎)
この一之宮神社がある一帯の公園は皇后崎公園といい、さらに隣町の地名も皇后崎です。「皇后崎」と書いて「こうがさき」と読みます。
第14代の天皇の仲哀天皇の皇后・神功皇后が上陸した岬ということにちなんだ地名です。
(神武天皇東征関連施設)
ここで、おっさんが今まで歩いた神武天皇に関する史跡をみてみます。
【宮崎にある神武天皇の御所跡について書いた
ブログ】
【宮崎市にある神武天皇が作った軍隊=皇軍発祥之地碑について書いたブログ】
【神武天皇が東征をした美々津の港=海軍発祥の地碑について書いたブログ】
【神武天皇が東征前に腰をかけた石がある神社に
ついて書いたブログ】
【神武天皇が到着したといわれる大阪天満宮について書いたブログ】
【神武天皇が到着し都をおいた奈良・橿原神宮で神武天皇の命日に行われた神武祭について書いたブログ】
北九州市の一宮神社
森に囲まれた厳かな雰囲気。
そしてその神社内に今も残る神武天皇が祭事を行った場所。実に貴重なものでした。
<<一宮神社への行き方>>
JR黒崎駅より車で5分ほど
住所:北九州市八幡西区山寺町12-36
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