JR上野駅から上野公園に向かい階段を上り右側に行くと西郷隆盛の銅像が見えます。
この像は、政治家でかつ軍人でもあった薩摩藩の西郷隆盛を讃えるために建立された
高さ370.1センチの堂々たる像です。
(維新の英雄・明治の逆臣 西郷隆盛)
薩摩藩出身の西郷隆盛は江戸幕府倒幕の中心人物人として働き、明治政府樹立後も政府の中核として働きますが、征韓論で下野し1877年(明治10年)に起きた西南戦争で9月24日に死亡します。
以後、政府に逆らった逆臣として位置づけられます。
【西南戦争について書いたブログはココ】
1889年(明治22年)明治政府は大日本帝国憲法を発布しますが、そのとき大赦で、西郷隆盛の逆臣の汚名が解かれます。
そして西郷隆盛の旧友が中心となり西郷隆盛像の建設が計画されます。
像の建設にあたっては、1868年(慶応4年)におきた江戸城無血開城により江戸の町を戦火から救った功績を讃え、宮内省からの500円が与えられ、また全国からは25,000を超える人からの寄付金が集められました。
1893年(明治26年)に起工し、西郷の死後から21年が経過した1898年(明治31年)
12月18日に除幕式を行い公表されました。
西郷隆盛像は、高さ約3.7m、胸囲約2.6m、重さ約9tです。
薩摩犬の愛犬「ツン」を連れて、うさぎを狩りに出かける姿になっています。
「西郷隆盛」の部分は高村光雲、愛犬「ツン」の部分は後藤貞行の作で、鋳造は岡崎雪聲です。
当時、偉人像では、正装姿が多かったのですが、この上野の西郷隆盛像は浴衣姿で愛犬を連れていて、庶民的です。
なんの予備知識がない人が見たら「近所の中年の小太りのおっさんが風呂上がりに身体を冷やそうと犬でも連れて散歩した姿」と思うかもしれません。
(おっさんの西郷像の思い出)
この上野公園の西郷隆盛像には2つの思い出があります。
1つは2000年(平成12年)頃。
当時社会人だったおっさんは、仲間と朝まで上野で酒を飲んだあと、朝5時頃、この
西郷銅像の前でコンビニで買ったサンドイッチを食べていました。
すると、ジャンバーを来た年配の男性がやってきて「にいちゃん 無職か?職あるぞ。下にバン(車)があるからすぐに乗れ!」と声をかけられたことがあります。
そうです、彼らは手配師だったんです。
もう1つは、同時期に上野駅から西郷銅像に行く道に、中近東方面から来たと思われる方々がたくさんいました。彼らは次々と「10枚千円!!」と声をかけてきます。
その手にはテレホンカードを持っていましたが、よく見ると裏側に銀色のテープが貼られています。
これは当時世間を騒がした変造テレホンカード、あるいは偽造テレホンカードで、
1000円分の通話料があるテレホンカードを100円で売っていました。
さすがに購入することはありませんでしたが、上野駅周辺での変造テレホンカードの
路上販売はよくTVや雑誌で取り上げられていて、リアルにそれに遭遇してはビビっていました。
(彰義隊の墓も)
また、この西郷像の後ろには、上野彰義隊の志士の墓があります。
<<上野公園の西郷隆盛像に行くには>>
JR・東京メトロ上野駅から徒歩で2分
都営地下鉄上野御徒町駅から徒歩で5分
京成電鉄京成上野駅から徒歩で1分
住所:東京都台東区上野公園
上野公園の西郷像、待ち合わせの場所にもなっています。
浴衣を着た気さくな姿がいいですね。