JR小森江駅の駐車場にある
2つの謎のコンクリートの構造物を発見
九州・福岡県北九州市門司区にあるJR門司駅からは線路が2つに分かれます。
1つは、山陽本線で関門トンネルをくぐり本州に行き山口県下関市のJR下関駅に向かいます。
JR門司港駅の構内には、この駅が、 鹿児島本線の起点駅であることを示す「0マイル」の碑があります。
【門司港駅について書いたブログはここです】
そのJR門司駅とJR門司港駅の間にあるのが、今回紹介するJR小森江駅です。
JR小森江駅は、1988年(昭和63年)3月13日に鹿児島本線の駅として開設しました。
駅の近くには、長崎と江戸を結ぶ長崎街道があり、駅付近の海岸には久留米の有馬藩のお屋敷や蔵があり、一帯は「久留米屋敷」とよばれていました。
(コンクリートでできた構造物)
この駅の北側にある前の駐車場には、コンクリートでできた2つの構造物があります。
1つが駐車場入り口にある円墳のような不思議なドーム状の構造物。
もう1つが、駐車場の中ほどにあるカマボコ状の建造物です。
これはいったい何??
JR小森江駅の方に「駐車場にある2つのコンクリートの建造物はなんですか?」と尋ねましたが「わからない」とのことでした。
そこで、いろいろと調べてみたらわかりました。
(関門トンネルのかつての立坑で 現在も点検用に使用)
JR小森江駅にある2つのコンクリート建造部。これらは、関門トンネルを造る際の立坑で、今でも点検用に使用されているそうです。
関門鉄道トンネルは、昭和11年(1936)9月に着工し、昭和17年(1942)7月に営業
運転を開始しています。当時日本最長の海底トンネルでした。
【関門トンネルで九州門司から本州山口へ 電車で渡った時のブログはここ】
長いトンネルを作るには、本来掘るトンネルのルート(本坑と言います)の他に、掘削の途中に出てくる邪魔な土砂や排水や土砂を搬出するためのポンプやエレベーター等を設置した補助用のトンネルを掘ることがあります。
その補助用のトンネルを立坑や横坑あるいは斜坑と呼びます。
関門トンネルを掘削した時には、下関側と門司側の坑口のほかに、途中に立坑や斜坑を5か所、試掘立坑を2か所掘っています。
今回紹介する、JR小森江駅にあるこの2つの建造物は、関門トンネルの建設時に掘った立坑の名残で、現在も保守に使われているそうです。
(下り線の「門司方立坑」)
かまぼこ型の建造物は、下り線の「門司方立坑」で、関門トンネル完成後は換気口として利用されているようです。
最初はその形から掩体壕かなあと思いました。
(上り線の「門司方第一立坑」)
円墳状の建造物は、上り線の「門司方第一立坑」です。 排水ポンプを入れて主に水抜き用に使われていたのではないかということでした。
ということで、JR小森江駅の駐車場にある
2つのコンクリートの構造物は、
関門トンネルを作るときの名残でした。
JR小森江駅
住所:福岡県北九州市小森江三丁目11